定年・退職のお金

女性の「おひとりさま」は老齢年金だけで生活をやりくりできる?

おひとりさまの老後で気になるのは「お金」ことですよね。特に女性の場合は、男性に比べ受け取る年金が少ないので「ひとりで暮らしていけるか?」と不安になることもあるでしょう。今回は、女性がもらえる老齢年金の平均額と老後の準備についてまとめます。

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド

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男性も女性も、未婚率は年々増える傾向にあります。40~50代になると独身の人たちは、老後の準備を考える人も増えることでしょう。

そんなおひとりさまの老後で、気になるのは「お金」のことかと思います。特に女性の場合は、男性に比べ受け取る老齢年金が少ないので「ひとりで暮らしていけるか?」と不安になることもあるでしょう。今回は、会社員の女性の老齢年金の平均額と老後の準備についてまとめます。
独身女性は老後、働き続けた方がいい?

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おひとりさまが受け取る老齢年金額とは?

厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、男女合わせた老齢年金の平均受給額は14万3965円(老齢基礎年金含む)となっています。男性だけの場合は16万3380円(老齢基礎年金含む)、女性だけの場合は10万4686円(老齢基礎年金含む)であり、男性に比べ約6万円も老齢年金の受取額に差があります。

老齢年金は、老後生活を支える大切な収入であり、生きている間ずっともらえます。しかし、その金額が10万円ぐらいだと「大丈夫かな?」「不安だな……」と思ってしまうかもしれません。とはいえ、不安だなと思っているだけでは、なかなかその不安は解消されません。

まずは、自分が将来もらうはずの年金額を「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などを活用し、正確な見込み額を把握しましょう。

(ねんきん定期便については、以下の記事を参照ください)
50歳からの暮らし整理術!「ねんきん定期便」をチェックし、お金の不安を払拭

年金額を把握できたら、これからの生活について冷静に考えるようにしましょう。その場合、年金額でおさまるように、生活をダウンサイジングしてやりくりすることが大事です。さらに、老齢年金で足りない分は、働き続けて収入を得るというのも一考です。高齢になっても働く人が増えている今の状況を考えれば、収入が低くても働けるうちは働き続けることを考えてみましょう。

出典:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業概況」
 

おひとりさまで年金が少ない場合の対策(1)長く働き、確実に収入を得る

2021年4月に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」が改正されたことで、60代や70代でも、働ける環境が整いつつあります。また働くことは、以下のさまざまなメリットを得ることにつながります。

・収入を得ることでの生活の安定
・規則正しい生活による健康維持
・社会と関わりを持つことで、孤立することを防ぐ
・健康保険に加入することで、手厚い健康診断が受診できる
・厚生年金に加入することで、将来の老齢厚生年金の受給額が増える

このようなメリットもあり、60歳以後になっても多くの女性が働いています。実際どのくらいの人々が働いているのか、内閣府「令和4年版高齢社会白書」で確認してみましょう。
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/zenbun/pdf/1s2s_01.pdf

女性の年齢階級別の就業状況は、次のとおりになっています。

【女性の就業者の割合】
・60~64歳で60.6%
・65~69歳で40.9%
・70~74歳で25.2%

一般的に年金がもらえる年齢である65歳以上でも、2~3割の人が働いていることがわかります。

・出典:内閣府「令和4年版高齢社会白書」

定年後の仕事は、退職する会社の再雇用制度を利用することもできますが、シニア向け求人サイト、公共職業安定所やシルバー人材センター、民間の人材派遣会社などを利用すれば、幅広く探すことができます。

なお、60歳以降も働く場合、ほとんどは現役時代の給料と比べて5~7割ほどと少なくなる点には注意しましょう。

しかし「なるべく高い給料の仕事」という条件だけで、身体に無理のかかる仕事や、あまり好きではない仕事を選んでしまうと、その後、長く続かず挫折ということになるかもしれません。

目指すなら「自分に合った働き方で、生涯現役!」という気持ちで、長く続けられる仕事を選びましょう。そのためには50代ぐらいから、自分の好きなこと、自分らしい仕事を見極め、勉強や資格取得など準備するようにしましょう。

おひとりさまで年金が少ない場合の対策(2)健康を維持する

おひとりさまが長く働き、確実に収入を得るためには、何より心と身体が健康であることが大事です。元気に活き活き働くことができれば、周囲の人からも頼りにされるはずです。そのためにも、日ごろから身体のメンテナンスをして、ケガや病気の予防を心掛けましょう。そのための健康づくりの習慣を紹介します。

【ストレッチをして柔軟性を高める】
腕、足、背中、首などを伸ばしたり、縮めたりするストレッチは、朝晩いつでもでき、場所も選びません。筋肉や関節の柔軟性を高め、ケガ予防になります。

【プランクをして体幹を鍛える】
ストレッチに加え、まるで板のように一直線に体をキープする「プランク」をすれば、腹筋まわりを鍛えることができます。体幹を鍛えることで、転倒しにくい体づくりができます。おひとりさまにとって、転倒のケガが原因で寝たきりになってしまうことは、最も避けたいことのはずです。若々しい身体を維持するための習慣を取り入れましょう。

【リラックスしてよく眠る】
高齢になると「スムーズに眠れない」「朝、早く目が覚めてしまう」という悩みを抱えることが多くなります。夜は緑茶やコーヒーを飲まない、夕食後はスマホを見ないなどのルールを設け、ぐっすり眠れる習慣をつくりましょう。また、お風呂に浸かって身体をあたためることで、リラックスできます。しっかり休養が取れれば、ストレス緩和や認知症などの予防につながります。

まとめ

高齢になっても働ける環境は整ってきています。単身女性は健康に気を付けて、収入が少なくても働けるうちはしっかり働くようにしましょう。たとえ受け取る老齢年金の金額が少なくても、大きな不安を感じないですむはずです。そのためにも、早いうちから「自分らしい働き方」を考えておきましょう。

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